AIで作った資料のチェックリスト。提出前に数値・固有名詞・権利を確認する

社外に出す資料をひととおり読み返していて、1枚の中の数字に目が止まる。悪くない数字だし、話の流れにも合っている。ただ、どこから来た数字なのかが思い出せない。

AIで初稿を作るようになると、この瞬間が増えます。自分で1枚ずつ調べて書いていたころは、数字と出どころが頭の中でつながっていました。生成された資料は、書いた記憶がないぶん、あとから裏を取り直すことになります。この記事では、提出前に見る場所を数字・素材・入力の扱い・記録の4つに分けて、点検の順番として並べてみましょう。

最初に見るのは、AIが書いた数字と固有名詞です

AIは、渡していない数字も自然な顔で書きます。市場規模、導入社数、削減率。文の流れとして正しい場所に置かれるので、読んでいるだけでは引っかかりません。

見分け方は単純で、自分が材料として渡していない数字を全部拾うところから始めます。渡した資料に載っていない数字が出てきたら、それは調べ直す対象です。裏が取れないなら、数字を消して「増加傾向」のような書き方に落とすほうが安全でしょう。

固有名詞も同じ扱いにします。社名の表記、部署名、製品名、人名の漢字。とくに社名は、株式会社が前に付くのか後ろに付くのか、正式名称に英字が入るのかまで、先方のサイトで確かめてください。相手の名前を間違えた資料は、中身の説得力ごと落ちてしまうことも。

日付と時系列は、資料の中で通して読むと崩れが見つかります。1枚目で「今期中」と書いてあるのに、5枚目のスケジュールでは翌期になっている。こういうずれは、生成のときに別々のスライドに分かれて作られたことで起きるので、通読でしか見つかりません。

画像と引用は、貼るときに出どころを1行残しておきましょう

数字も社名も、元の資料を開き直せば辿れます。画像だけは違って、どこから持ってきたかは自分の記憶にしか残っていません。提出前に思い出せなかった1枚は、確認ではなく差し替えるしかない。

だから素材は、あとで点検する項目ではなく、貼るときに記録する項目です。スライドのノート欄に素材のURLを1行貼っておけば、提出前の点検は「ノートを見る」だけで終わります。

記録しておくのは3つ。

  • 素材の出どころ。 サービスが用意している素材なのか、自分がWebから拾ってきたものか

  • 使ってよい範囲。 社内で見せるだけか、社外への提出や公開まで含むのか

  • 加工してよいか。 文字を重ねる、トリミングする、色を変えるといった編集の可否

引用も同じで、他社の調査結果やグラフを載せるなら、調査元の名前と発表年を資料の中に書いておきます。出典を書けない数字は、そもそも載せないほうが早い。

AI資料作成サービスを使う場合は、作った資料を商用で使ってよいかを、契約前に確認しておくと後戻りが減ります。イルシルの場合は商用利用ができて、営業資料や社外向けの提案書にも使えます。ただしイルシルのイラストやテンプレートをそのまま配布・販売することはできません(イルシルのよくある質問に記載)。素材の再配布を制限する条件は多くのサービスにあるので、自社の使い方が引っかからないかは先に見ておきましょう。

入力した内容がどう扱われるかは、規約の4語を引けば分かります

社外秘の情報をAIに渡すことに慎重な会社は少なくありません。実際、資料の材料には未公開の数字や取引先の名前が入りがちです。

とはいえ、利用規約とプライバシーポリシーを頭から読む必要はありません。ページ内検索で「学習」「二次利用」「第三者提供」「保存」の4語を引けば、知りたいことはたいてい出てきます。1つも見つからないサービスは、その時点で情報システム部門に回してしまいましょう。イルシルの場合は、入力した内容を個別の同意なくAIモデルの学習に使わないことをプライバシーポリシーに明記しています。法人での利用に関わるセキュリティ要件は法人プランのページで公開しています。

会社によっては、個人で選んだツールに業務の情報を入れること自体が禁止されていることも。自分の資料の話ではなく会社のルールの話なので、迷ったら情報システム部門に聞くのが早いです。

承認者へ渡すときは、確認した印を資料の外に残しておきましょう

点検が終わっても、その事実は資料には残りません。承認する側は、数字が確認済みなのか未確認なのかを見分けられないまま印を押すことになります。

次の3行をコピーして埋め、資料と一緒に渡してください。

  • 数字の出どころ:

  • 未確認のまま残したもの:

  • 判断してほしいこと:

埋めた例はこうなります。「3枚目の削減率は、先方の提示資料の12ページから」「業界平均は概数のまま。確定値が要るなら調べます」「価格の表現をこの強さで出してよいか」。未確認のものを隠さずに書くのがコツで、全部確認済みだと言い切って1つ漏れているより、2つだけ未確認だと最初に伝えてあるほうが、承認する側の手が早く動きます。

イルシルなら、気になった1枚だけを作り直せます

イルシルは、日本語のビジネス資料に合わせて作られたスライド生成AIです。点検のうえで役に立つのは、直したい1枚だけをAIに作り直させられるところ。数字が怪しい1枚や、主張がぼやけた1枚が見つかっても、資料全体を生成し直さずに済みます。

作り直したあとは、その1枚だけをもう一度読んでください。ほかのスライドと数字の粒度が揃っているか、日付の書き方が同じか。1枚だけ作り直すと、その1枚だけ表現が浮くことがあります。

ChatGPTやClaudeのような汎用のAIでも、同じように資料の初稿は作れます。分かれ目になるのは、その資料を社外に出すかどうかと、会社が認めたツールしか使えない環境かどうか。社外へ出す資料では、日本のビジネス資料として見慣れた形で出てくるかも効いてきます。

提出前の5分を、この順番で使ってみてください

規約の確認は使いはじめの一度で済むので、毎回見るのは4つです。順番さえ決めておけば、点検は5分で通せます。内訳はこうです。

  • 数字に2分。 渡していない数字を拾って、裏を取るか消す

  • 表記に1分。 社名・部署名・日付を通して読む

  • 素材に1分。 ノート欄に残した出どころを見る

  • 記録に1分。 未確認のものを3行にして、資料と一緒に渡す

次に社外へ出す資料で、この順番どおりに手を動かしてみてください。1回やると、どこで自分が引っかかるかが分かります。

渡す前の入力を整えておくと、点検で直す枚数そのものが減ります。読み手と要点の決め方はAIで見やすい資料を作る入力のコツ。目的・相手・要点を先に決めるに、生成したあとに必ず見る3か所はAIでスライド作成はどこまで任せられる?人が確認することにまとめています。

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