AIでスライド作成はどこまで任せられる?人が確認すること

「この件で資料をお願い」とテーマだけ渡されて、そこから手が止まってしまうことはないでしょうか。

テーマは決まっている。入れる材料も手元にある。それでも、1枚目に何を置くかが決まらない。書く内容そのものは調べればだいたい出てきますし、スライド作成でいちばん時間を吸われているのも、文章を書く作業ではなく並べる順番を決める作業だったりします。

生成AIは、まさにその順番決めを引き受けてくれます。ただ、どこまで任せるかを決めないまま使うと、出てきた資料に結局は全部手を入れるハメになってしまうことも。この記事では、AIに任せてしまってよい範囲と、人が自分の目で確かめておきたい範囲を、分けて整理してみましょう。

AIに任せられるのは、白紙を埋めるところまでです

スライド生成AIに文章を渡すと、構成を組み、本文を書き、デザインを当てるところまでを一気にやってくれます。早ければ数分で、スライドの形になったものが出てきます。

とはいえ、そのまま提出できる資料になるかというと、正直あまりそうはなりません。AIが読めるのは渡された情報だけなので、社内でどこまで話が進んでいるか、その資料を読む相手がどのくらい前のめりなのかといった温度感までは、さすがに拾えないからです。

そう考えると、AIに向いているのは、ゼロから何かをひねり出す時間を消すことのほうです。目の前に直す対象がある状態から始められるだけで、資料作成でいちばん重い工程は終わっています。直す前提で使うなら、たたき台が数分で出てくること自体が十分な時短でしょう。

汎用のAIでもスライドは作れます。選ぶ基準は、その資料をどこに出すかです

ChatGPTやClaude、Geminiのような汎用の生成AIでも、いまはスライドの形まで出せます。文章までしか出てこない時代は、もう終わりました。細かい直し方はツールごとに違いますが、どれを使っても、ひとまずスライドの形にはなります。

では、どれを使えばいいのか。分かれ目は、その資料を誰かに見せるかどうかです。自分の頭を整理するためのメモなら、どのAIで作っても困りません。人に見せる資料になると、日本のビジネス資料として見られる形で出てくるか、情報の扱いが会社の基準を満たすかが効いてきます。社内の会議で配る資料も、読むのは自分ではありません。

後半では、イルシルを例に、実際の作り方と社内で使うときに気になる点を見ていきます。汎用のAIを使っている人でも、任せる範囲の決め方はそのまま当てはまります。

入力する情報が少ないと、AIが想像で埋めます

同じツールでも、何を入力するかで出てくるものはまるで違います。

うまくいきにくい例

  • 営業資料を作って

  • 新サービスの紹介スライド

うまくいく例

  • 中小企業の経営者向けに、勤怠管理システムの導入提案を10枚程度で。導入効果とコストを中心に

  • 社内の若手向けに、議事録の書き方の研修資料を8枚で。悪い例と良い例を並べる形で

並べてみると、後者には読み手・目的・分量・入れたい要素が入っています。AIは足りない情報を自分で補ってしまうので、渡す情報が少ないほど、想像で埋めた部分が増えていきます。「営業資料を作って」とだけ書けば、誰に何を売る資料なのかはAIが決めてしまい、想定とずれたものが返ってきがちです。

手元にメモや議事録があるなら、きれいにまとめ直そうとせず、そのまま貼ってしまうほうが早いです。整理するのはAI側の仕事なので、こちらで先に片づけておく必要はありません。ただし一度に入力できる文字数には上限があって、これは利用しているプランによって変わります。

生成したあとに必ず見るのは3か所!

出てきた資料を頭から読み直す必要はありません。見るのは、次の3か所だけで足ります。

数字と固有名詞:取引先の社名が似た別の会社になっていないか、金額の桁は合っているか、日付が去年のままになっていないか。AIは足りない部分を補って書くので、数字と名前だけは自分の目で追ってください。

話の順番:いちばん伝えたい結論が、後ろのほうに回ってしまうことがあります。読み手が最初に知りたいことが1枚目に来ているか、通しで眺めてみてください。

弱い1枚:全体の流れは通っているのに、1枚だけ言いたいことがぼやけている。そんなスライドが混ざっていないか、通しで眺めて引っかかるところを探してください。

デザインは最後でいい、と割り切ってしまうのも手です。配色やテーマは後からまとめて適用できるので、先に中身を固めたほうが結局は早く終わります。

イルシルでスライドを作ってみましょう

イルシルは、日本語の資料作成に合わせて作られたスライド生成AIです。ホーム画面の「おまかせ生成」に文章を入れると、構成からスライドまでが一度に出てきます。1枚目から自分で組みたいときは、同じ画面の「白紙のスライドから作成する場合はこちら」へ進んでください。

デザインは、AIが内容に合わせて1枚ずつ組み上げます。「AIデザイン生成」と呼ばれる機能で、決まった型に流し込むわけではないため、スライドごとに図もレイアウトも変わってきます。それでも日本のビジネス資料として見慣れた形には収まるので、社内にそのまま出しても浮くことはないでしょう。

さきほどの「弱い1枚」が見つかっても、全体をやり直す必要はありません。スライドを編集する画面から、その1枚だけAIに作り直させられます。書き出しはPDFとPowerPoint形式(PPTX)に対応しています。

無料のフリープランでも、資料は3個まで作れます。AIデザイン生成は月3枚まで、PDFやPowerPointへの書き出しは有料プランからです。まずはこの3個のなかで、ふだん作っている資料が形になるかを見てみてください。

社内の資料をAIに渡すことに慎重な会社もあると思います。イルシルは情報セキュリティの国際規格ISO/IEC 27001:2022の認証を受けていて、認証範囲にはスライド自動生成サービスの開発・運用・販売が含まれます。二段階認証はどのプランでも設定できて、法人プランではメンバー全員に必須化することもできます。IPアドレス制限も法人プランの機能なので、情シスの確認が要る会社はこのあたりを持って相談してみてください。

次に作る資料で試してみてください

AIにどこまで任せるかは、結局のところ一度動かしてみないと決まりません。渡す情報の具体性で仕上がりが変わる以上、自分の手で試した感覚がいちばん頼りになります。

架空のテーマで練習しても、任せる範囲の線引きは身につきません。「来週の定例で使う資料」のように、実際に必要な資料をひとつ選んで、いま手元にあるメモをそのまま貼り付けてみてください。画面の中で形になるところまで見れば、どこまで任せられるかの感覚はつかめます。

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