仕事でPowerPointの資料を月にいくつも作っている方は多いと思います。AIで作れるという話も耳に入ってきていて、一度試す価値はありそうだと感じてはいるものの、自分がいつも作っている資料が本当にAIで作れるのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
パワポ作成AIと呼ばれるツールですが、AIに任せられることと、結局自分でやることは、はっきり分かれています。
この記事では、AIにどこまで任せて、自分はどこに時間を使うべきかを解説していきます。AIとのうまい付き合い方を、一緒に考えていきましょう。
パワポ作成AIが作ってくれるのは、話の流れと文章の下書きです
AIに資料作成を頼むと、まず出てくるのは下書きです。作りたいことを伝えると、話す順番が組まれ、それぞれのスライドに文章が入り、見た目まで整った状態で返ってきます。白紙のPowerPointを開いて、何から書くか考えていた時間は要らなくなります。
ただ、出てくるのはあくまで下書きです。そのまま提出できる資料ではありません。
順番を入れ替えたいところも、言い方を直したいところも残ります。それでも、白紙から書き起こすのとは進み方がまるで違います。ゼロから組み立てるのではなく、目の前にあるものを直していく作業になるからです。
なお、PowerPointに組み込まれたAIを使うのか、資料作成の専用ツールを使うのかで、向いている場面が変わります。その使い分けは「PowerPointを使う会社のAI資料作成」で詳しく紹介しています。
AIが書けないのは、社内にしかない話です
下書きまでは出てくるのに、そこから先が残るのはなぜでしょうか。AIが知らないことがあるからです。
社内でしか分からない数字も、お客さまごとの事情も、決裁の場で必ず聞かれることも、こちらから伝えないかぎり出てきません。伝えていないのにスライドに書かれていたら、それは事実ではなく、AIが埋めた推測です。
つまり、AIの出来がよいか悪いかではなく、こちらが何を伝えたかで、任せられるところが決まります。ここを取り違えると、出てきたものをそのまま提出して差し戻される、という遠回りになりかねません。裏を返せば、伝え方を変えれば、任せられるところは広がります。
AIに伝えることは、そんなに多くありません
出てくるものの中身は、最初に何を伝えたかでほぼ決まります。そろえるのは次の3つです。
誰に見せるのか:相手の役職と、どれくらい前提を知っているか
何を決めてほしいのか:承認、比較検討、情報共有のどれか
これだけは落とせない、という事実
たとえば「営業の資料を作って」とだけ伝えると、どの業界の誰に何を売るのかが分からないので、当たりさわりのない話しか並びません。
同じテーマでも、「製造業の情報システム部長に、社内の資料作成にかかっている時間を減らす提案をする。落とせないのは、いまの作業時間、導入後の進め方、費用の考え方」まで書けば、返ってくるものは変わります。
最後のひとつは、思いつくままに並べるより、絞ったほうがまとまります。数字や社名を入れられるなら、この時点で入れてしまってください。あとから探して埋める手間が減ります。
イルシルで作ったら、見るところはここです
イルシルは、日本語のビジネス資料に向いたデザインで下書きまで作るツールです。ログインすると「今日はどんなスライドを作りますか?」という画面が開くので、その下の入力欄に、さきほど書いた文章をそのまま入れてください。
出てきたものは、全部を読み直すより、次のところだけを見たほうが早く、抜けも見つかります。
まず、数字と社名です。 AIが入れた数値や会社名は、どこから来たのかを確かめてから残してください。自分が伝えていない数字が入っていたら、その場で消すか、正しい値に置き換えます。
次に、話す順番です。 読む人が知りたい順になっているかを見てください。提案なら相手の困りごとから入るほうが通りやすく、報告なら答えを先に置くほうが伝わります。順番だけなら、スライドを並べ替えれば済みます。
最後に、1枚あたりの文字の量です。 伝えた内容を残そうとするぶん1枚に詰め込まれやすいので、文字が多いスライドは2枚に割るか、削ってください。
見ていくうちに、1枚だけどうしても気に入らないスライドが残ることもあるかもしれません。イルシルでは、その1枚だけを選んでAIに作り直させることもできるので、全部をもう一度作り直す必要はありません(この機能は「AIデザイン生成」と呼ばれ、月ごとの生成枚数を消費します)。
提出前の確認をもっと細かくやりたいときは、「AIで作った資料のチェックリスト」で、数値・社名・権利の確かめ方を解説しています。
手元のメモ1つから始めてみましょう
パワポ作成AIを試すとき、いきなり本番の提案書から始めるのは、あまりおすすめできません。どこまで任せられるのかが、かえって分かりにくくなるからです。
まずは、手元にある会議のメモや、先週作った資料の元ネタで一度作ってみてください。そのほうが、任せられるところは早くつかめます。
イルシルなら、無料で登録してすぐ試せます。さきほどの内容を書いた文章を1つ用意して、そのまま入れてみてください。出てきたものを見れば、自分の資料でAIに任せられるのはどこまでで、自分が手を入れるのはどこなのかが、はっきり分かるはずです。